都市にある田んぼって、ついつい立ち止まって眺めてしまいますよね。マンションエリアの一角に田んぼが残っていると、なんだか癒されて。
そこでふと疑問に思うのが「都市の農家って利益が出ているのだろうか?」ということ。都市の田んぼって田舎の田んぼに比べて多少面積が小さかったりしますよね。そのため収支が取れているのか気になっている人もいるのではないでしょうか。
農林水産省の平成23年度「都市農業に関する実態調査」によると、都市農家の約6割が年間販売金額100万円未満となっています。内訳は自給的な都市農家が2割、販売しているが100万円未満が4割となっています。700万円以上の年間販売金額がある都市農家は1割未満となっています。
農業だけで生計を立てられるほど稼いでいる方は少ない印象・・・。どうやって生活を維持しているのでしょうか。
農林水産省 「都市農業に関する実態調査(平成23年)」
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/attach/pdf/shiryou-8.pdf
農林中金研究所のレポートデータを使って詳しく調べてみましょう。阪神地域の都市農家のデータです。それによると、農業が所得に占める割合はわずかにすぎず、不動産所得(アパート経営など)を主な収入としていたり、給与所得で家計を維持していたりといった方が多数となっています。
ただ、所得に占める割合が少ないにもかかわらず、当該農家全体の9割近くが農業を続けたいと回答しています(農地を一部縮小希望の方を含む)。
多数の方が農業を続けたいと回答していてびっくり。なんとも嬉しくなるデータです。やっぱり都市に残る田んぼや畑を見ると、心が落ち着きますからね。
農林中金研究所 「都市農業(地域レベル)の推移と実態-都市農業を考える②」
https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0603re3.pdf
都市農家の方は農外所得で主に生計を維持していることが判明しました。また農業であまり儲かっていないにも関わらず、続けていきたいと考えている方が圧倒的多数でした。農業にはきっとお金だけでは計れない魅力や良さがあるのでしょうね。都市に田畑の素敵な風景がいつまでも残り続けてほしいものです。